2017.08.01 | FP赤井の生活マネー情報

突然の自然災害に備えて知っておきたい4つのファイナンシャル対策

今年7月頭に発生した九州北部豪雨では、各地域で観測史上最大級の雨量を記録し、甚大な被害をもたらしました。また同月下旬には秋田県でも記録的な大雨によって河川の氾濫、土砂災害などが見られました。

それぞれ被災された方々には、深くお見舞い申し上げます。

この数年、毎年のように「観測史上初」の災害が起こっている気がします。

いままでテレビのニュースを様子を見ていただけの私たちにも、いつその災害が降りかかるかわかりません。「もしもの時に何をすべきか」、常に考えておかなければならないのかもしれません。

今回は被災してしまった時、ファイナンスの面からどう対処できるかをまとめてみました。

■火災保険

「火災」と名のつく損害保険ですが、自然災害での被害も幅広く補償します。落雷や水害、台風などでの風災などです。やはり7月に話題になった首都圏での雹(ひょう)による家屋の被害も、火災保険の対象となります。

気をつけたいのは水災です。「大きな川の近くじゃないし」と水災補償を外した契約をよく目にしますが、ゲリラ豪雨による下水の溢れなどの「都市型洪水」も、この水災の補償対象です。また大雨による斜面の土砂崩れも、洪水ではありませんがやはりこの「水災」です。

保険料を安くするために安易に外してしまって、いざという時に使えないようでは何のための保険か分かりません。気になる方は保険証券を確認してみましょう。

また地震や津波による家屋・家財の被害は「地震保険」に加入していないと出ません。火災保険の50%しか給付を受けられませんが、地震大国の我が国においては必須の補償と言えます。

ちなみに自然災害による自動車の被害は、自動車保険の「車両保険」での対応となります。

■被災者生活再建支援制度

住まいが全壊、解体となった時に100万円、住宅を再建する場合200万円など、生活基盤に著しい被害を受けた時に最大300万円の支援金を地自体から受けられる制度が、「被災者生活再建支援金制度」です。

家を失った補償としては決して十分な金額ではありませんが、再建費用そのものを補償するというよりは、日常生活に戻るための準備資金という意味合いが強いようです。

■自然災害による被災者の債務整理に関するガイドライン

(以下 自然災害ガイドライン)

住宅ローンを支払っている途中で被災してしまった場合、失った家のローン返済を続けながらこれからの住居費も支払っていくことになります。場合によっては二重ローン生活になるかもしれません。

そのような事態を避けるための国の制度として設けられたのが、「自然災害ガイドライン」です。一定の要件を満たす被災者は住宅ローンなどの免除・減額を金融機関に申し出ることができます。

この制度は

  1. 弁護士などの専門家の手続き支援を無料で受けられる
  2. 財産の一部を手元に残せる
  3. 破産等と異なり、個人信用情報として登録されない

といったメリットがあります。

ちなみに上記「被災者生活再建支援制度」「自然災害ガイドライン」いずれも、「災害救助法」が適用された自然災害での被害に限られます。

災害救助法とは、都道府県で定められた被害規模を超える被害の場合適用される、被災者保護、秩序維持のための法律です。

熊本地震では県内全域、九州北部豪雨では福岡県朝倉市や大分県中津市などが適用されました。

■災害復興住宅融資

住宅金融支援機構が取り扱う、被災住宅の補修や買換えのための融資です。

金利が通常の住宅ローンよりも低い水準で設定されます。例えば自宅が大規模半壊し、優良中古マンションへの住み替えになった場合、2620万円を0.63%35年固定で借りることができます(2017年7月)。また最大510万円の加算も可能です。

上記以外にも、金融機関によっては住宅ローンの返済を引き伸ばしたり据え置くなどの対応をしてくれるところも多くありますので、相談してみましょう。

また様々な支援制度を受けるためは「り災証明書」が必要になることがほとんどです。市町村へ申請して調査を受けてから、被害状況が記載され発行となります。ある程度時間がかかるものだと認識しておきたいですね。

自然災害においては、避難することで人的な被害を避けることはできても、災害そのものを避けることはできません。どうしても家屋や家財の被害は発生してしまいます。

無いに越したことはありませんが、そんな時にもなるべく冷静に対処することが、1日も早く日常を取り戻すためには大事なことなのかもしれません。

一覧に戻る