2015.02.26 | FP赤井の生活マネー情報

やらなきゃ損??はじめての【ふるさと納税】

そろそろ確定申告の時期ですね。

事業所得の申告者は毎年ブルーになる時期ですが、給与所得者(サラリーマン)の場合、住宅ローン控除を受ける方でない限り、経験者は少ないのではないでしょうか。

 

その代わり勤務先に保険料控除証明書を提出し、年末調整を受けるというのが毎年の恒例になっていると思います。

しかしサラリーマンの方でも確定申告を組み合わせることにより、大きなメリットを受けられる制度があります。

それが【ふるさと納税】です。

 

2008年の第一次安倍政権からスタートしたこの【ふるさと納税】。

実際の納税経験者はまだ10%にも満たないそうですが、各メディアでもかなり取り上げられていて、ほとんどの方はその存在を知っている思います。

未経験の方でも、

●生まれ故郷以外の自治体にも寄付できる

●税金が戻ってくる

●いろいろな特産品がもらえる

というような認識はあると思います。

最近では多くの自治体が話題性のある【特産品】や【サービス】を提供しており、注目を浴びているようです。

 

おもしろいものだと

○香川県東かがわ市の【ヘラクレスオオカブト】:45000円以上の寄付

世界最大のカブトムシです。生きものもオッケーなんですね。しかし県産どころか国産ですらないらしいです…

 

○兵庫県上郡町の【手作り武者鎧】:50万円以上の寄付

男の憧れ、武者鎧!いいですね~。でもいつ使うんだろう。

 

○山形県真室川町の【1日町長体験】:100万円以上の寄付

その1日で記念に条例とか作りたいですね。

 

○宮崎県都城市の【芋焼酎1年分/365升】:100万円に以上の寄付で

なんと黒霧島一升瓶365本!宮崎の人って1日一升飲むんでしょうか。

 

それぞれの自治体が魅力あるサービスを考えだし、出身者以外からの納税をもゲットしようと工夫しています。

やはりお肉やお米が多いようですね。

inaho

Photo by (c)Tomo.Yun

 

さて肝心の税金還付ですが、これもかなりお得度が高いです。

寄付金控除は、医療費控除のように税金の計算のもとになる所得から差し引くのではなく、

決定した税額から直接差し引くので、分かりやすい節税になります。

 

例えば年収500万円の方が3万円のふるさと納税を行うと、次のような流れになります

  • 好きな自治体に3万円を支払う
  • 2万円~3万円分の特産やサービスなどの特典が得られる
  • 3月の確定申告で控除申請すると、2万8千円が戻ってくる

 

3万円支払ってトータル5万8千円分の収益がある、ということになります。

こんなにトクするならやらないほうがおかしい!とも言えますが、いくつか注意点も。

  • 「払った税金」からの還付ですから、当然税金をあまり払っていない人の節税メリットは低いです。収入や扶養控除などによって受けられるメリットの上限は変わりますので、試算サイトなどで確認してください。
  • そして【確定申告】をしないと税金は戻ってきません。国税庁のウェブサイトで簡単に申告書の作成ができるのですが、初めての方は専門用語ばかりで戸惑うこともあるようです。

 

しかし今年度からその心配も軽減できそう。それは「ふるさと納税ワンストップ特例制度」が導入されるためです。

これは控除手続きを住民税のみに一本化し、受け取った自治体が行う制度です。

つまり確定申告が不要になります。

 

またさらに、控除の上限も引き上げられ、より多くの税金が還付されることになっています。

いくつか条件はありますが、制度の利用者が増えるのは間違いないでしょうね。

 

自治体にとってもより多くの寄付を集められるチャンスですが、

この制度をうまく利用できているところと、そうでもないところの差は開く一方な気がします。

年間10億円を超える寄付を集める市もありますが、なかなか注力できていない自治体が大多数のようです。

 

私も生まれ故郷の福島市に!と思ってチェックしてみましたが、

「市長の礼状」と「特産くだもの」としか記載がありませんでした…。

せめてくだものの詳細くらいは書いてほしいものです。

 

とはいえ特産品のお礼は二次的なもの。

お世話になった地元や、旅して好きになったあの街の発展に貢献する、という目的を見失わずに上手く利用したいものです。

ではまた。

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