2016.09.13 | FP赤井の生活マネー情報

30代で1,000万円貯めるためには?

こんにちは、ファイナンシャルプランナーCFP®の赤井です。
今回のテーマは、誰でも気になる「貯蓄」の話です。
仕事でもどんどん責任ある立場になっていき、プライベートでは結婚、子育ても経験していく30代。
自宅購入を検討する方も多いのではないでしょうか。
20代よりも収入も増えますが、支出も大きくなる世代です。
なかなか貯蓄が増えない…というFP相談もとても多いのですが、
一方では計画的に金融資産を積み上げている人も少なからずいます。その違いはどこなのでしょうか。

30代は実際どのくらい貯蓄している?

実際の30代の貯蓄額はどのくらいなのでしょうか。
家計に関する広報活動を行っている「金融広報中央委員会」の世論調査によると、
30代の平均保有金融資産額は656万円中央値は450万円でした。
しかしこちらの数値は、あくまで「金融資産を保有している人」のデータ。
同調査によると、そもそも金融資産を保有していないと回答した30代の世帯は、34.2%だそうです。
やはり厳しい家計で生活している世帯も多いようです。
一方で金融資産を保有している世帯のうち、1,000万円以上と回答した世帯が合計16.4%存在します。

1000万円まで積み立てるためには?

さて、1口に1000万円と言っても大金です。仮に10年間でそこまで貯めるには、
毎月どのくらい積み立てなければならないでしょうか。
10,000,000 ÷ 10(年)÷ 12(カ月)≒ 83,333 円
大きな額ですね。
仮に年利3%での積立てが可能だったとしても、70,574円です。
決して楽な金額ではありません。

貯蓄賢者の買い物時の意識とは?

さて、かなりハードルの高い1,000万円ですが、今回は積み立て方法や具体的な金融商品を紹介するのではなく、
1000万円を作り上げた成功者の「気構え」や「意識」、「行動」に注目してみたいと思います。
ビザ・ワールドワイド(Visa)では、2015年2月、貯蓄を1,000万円以上抱える30代の男女600名を対象に
「買い物や貯蓄意識に関する調査」を実施し、結果を公表しています。
ちなみにVisaでは、この調査対象を「貯蓄賢者」として定義しています。

買い物をする際の意識と行動について、どの程度あてはまるか Visa Japan HPより
貯蓄賢者は、「役に立つのかをじっくり考える」、「何を買うのかを決めてから買い物行くことが多い
といった意識を持っているようです。
買い物に楽しみにを感じる一方で、無駄な買い物はしない、という意識が明確です。
また買物時の行動に関しては「高額商品は価格比較検討サイトで最安値を調べる」「特売時に買うようにしている」
など、保有資産高が多くとも、できるだけ安く買い物をすることを心がけているようです。

あなたの現在の貯蓄額は何を節約することで達成しましたか。(n=600)

1,000万円貯めるために節約したことは?

次に節約方法ですが、断トツの1位が「外食に使うお金」の節約だそうです。
夜の飲み会を減らして自炊」「外でのランチを止めてお弁当持参」などの方法になると思いますが、
1回1回の節約金額は少なくとも、継続すれば大きな金額がセーブできます。
また衣服とは別に、ピンポイントで「靴代」の節約に票が集まっているのも興味深いですね。

収入の何%を貯蓄するか

月々の収入を「100%」とした場合、貯金する金額はどの程度か(n=600)
貯蓄の王道、給与からの一定額積立て。多くの貯蓄賢者も利用しているはずです。
月々の収入のうち、何%を貯蓄しているか、という問いには20~30%と回答した方が最も多かったようです。
ところで全く貯金していない2%の人たちは、どのように1,000万円まで貯めたのでしょうか… 気になります。

デビットカードを使えば1,000万円貯まる?

また同調査結果をデビッドカードの普及につなげたいようで、 デビッドカード保有者のほうが1カ月あたり自由に使えるお金が多い、などの調査結果も示していました。
即日決済できるデビットは、確かに便利で計画的なツールだと思いますが、ただまるで「デビッドカードを持ったおかげで、性格が優しくなり、恋愛にも積極的になれた」かのような見せ方はどうかと思いますよ、Visaさん(笑)

自身の性格についてどの程度あてはまると思うか(n=600)

1,000万への近道はこれだ!

貯蓄賢者の意識、行動をまとめると1,000万円への近道が見えてきます。
  • 不要な買い物はしない
  • ネットなどを利用し、少しでも安い買い物を心がける
  • 外食は極力減らす
  • 収入の20~30%は貯蓄
  • デビッドカードを持つ
  • 異性への関心を強める
最後は冗談ですが。いずれにしても今後は退職金、公的年金だけに頼ることはできません。
老後のキャッシュフローを試算すれば不足額は1,000万円どころではすまない方もたくさんいるはずです。
これから貯蓄をしたい方は、手法や商品だけにとらわれず、
貯蓄賢者を見習って意識改革から始めてみてはいかがでしょうか。

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