2020.02.05 | FP赤井の生活マネー情報

2023年から変わるNISA制度。どれを選ぶべき?

NISA制度が2023年度にいったん区切りを迎えます。そして年末には「2020年度税制改正大綱」において「2023年以降のNISA制度改正案」が盛り込まれ、話題になっています。

一般NISA、つみたてNISAの導入により、証券口座を開設し投資をする人が確実に増えました。この流れを止めず、より多くのユーザーに支持される制度になるのでしょうか。2023年4月から何が変わるのか、まとめてみました。

■NISA制度の現状

NISAとは毎年一定額まで、専用のNISA口座での投資で得た利益が、非課税になる制度です。現状、一般NISA・つみたてNISA・ジュニアNISAの3種類があり、それぞれ投資上限額や、投資できる商品、非課税になる期間などが違いがあります。


出典:日本証券業協会

■新しくなる「一般NISA」

今回最も大きな変化となりそうなのが、一般NISAです。現在年間上限額120万円、5年間で最大600万円の運用が可能でしたが、2023年末に投資期限を迎えます。そこで2024年からは「新NISA」として、新たに2028年末までの5年間を期限とした新制度が始まります。

大きな特徴は2階建てのしくみ。まずは1階部分に積み立て枠が設けられ、その枠で投資をした人が、2階部分でも投資ができる、とします。


2020年度税制改正大綱を参考に筆者作成

●1階部分

年間20万円の積み立て枠で、投資対象はつみたてNISA同様、安定的な資産形成が可能と認められた投資信託に限定されます。また、5年間の積み立てが終わると、随時つみたてNISAへのロールオーバーも可能のようです。

●2階部分

年間102万円を上限とした投資枠で、原則1階部分で投資を行った人が、2階部分でも投資できます。

ただし例外として投資経験者が上場株式のみの投資を行う場合は、2階のみの投資が可能になるとのこと。また投資対象は、1階部分ほどの規制はないにしても、高リスク商品は対象外にするなどの措置が取られるようです。

■延長される「つみたてNISA」

現在2018年から2037年末までが口座開設可能期間とされているつみたてNISAは、5年間延長し、2042まで新規非課税投資が可能となります。

■廃止されるジュニアNISA

利用者が思うように伸びなかったジュニアNISAは、予定通り2023年末で終了となります。

このように、最も大きな変化は「新NISA」となりそうですが、これから投資を始めたい、少額から積み立てたい、という方は引き続き「つみたてNISA」を選択すべきかと思います。

また個人的にはジュニアNISAの廃止はもったいないな…という印象。学資積み立てにリスク性の商品を使うのは反対ですが、「つみたてNISA」や「新NISA」のように制限を設ければ良いですし、「自分の学資は昔から親が運用してくれていた」という経験は、若者の金融リテラシー醸成に繋がると考えていました。何より他のNISAと併用できるのも大きいですよね。

「いずれ終わるから」といって悪い制度なわけではありません。まだ丸3年ありますので、対象となるお子さんがいる方は240万円の枠を有効に使ってみてください。

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